認知症とアロマトリートメント(ハンド)
「認知症の方の寝付きが悪く、夜中にトイレに行った後なかなか寝付かれない。寝付かれない時は大きな声を出したり、家の中を歩き回ったりされるので転倒の心配があり、ご家族にも負担がかかっているけど、アロマで何か良い方法はないでしょうか?」
こんな相談を受けて、施設に泊まられる夜(週2日)だけ、アロマトリートメントによるハンドマッサージを始めたのは11月の末でした。
睡眠時間には、すぐに変化がありましたがハンドマッサージの効果かどうかは、その時点では判断できませんでした。それでも、夜中にトイレに行かれた後すぐに眠りに入り、朝7時前まで寝られたとか、夜中に一度もトイレに起きられなかった・・・というような報告は頂いていました。
夜中のトイレが一度も無かった夜(ハンドマッサージをした日の夜)、夜勤の職員さんは別の心配で何度も何度も懐中電灯をもって部屋を訪ねたとおっしゃっていました。でも、その度に爆睡状態だったんだそうです。
夜のハンドマッサージを始めてした時、昼間には感じたことのない緊張が指先にも手の平にもありました。それは不安な気持ちが見え隠れするように感じました。
週2回、4週間やってみて、その先の方向性をまた考えることにしていました。
終わってみると、何かがもの凄く変わったとはいえません。そして、好転したことがあったとしても、それをハンドマッサージ効果といえるかどうかも微妙です。
もともと高齢の方なので、ちょっとした出来事で体調に変化が現れます。ご家族との関係や距離感、気候の変化等など。12月は寒い時季でもあり、ご家族も忙しくて充分な対応が出来なかったり、健康面への配慮から運動不足になったり・・・そういったストレス材料もあります。
認知症の場合、特効薬はなく治療は確立されていないのが現実です。そういった現実を踏まえてアロマテラピーで何が出来るのかを手探りしているのですから、治療と肩を並べるような効果を期待していたわけではありません。
そのあたりを整理して考えてみると、それなりの成果はあったのではないかと思います。
例えば、最初は交わす言葉も少なかったのですが、徐々に言葉の数が多くなり表情も豊かになっていきました。
最初に挨拶をすると「あらーっ」と、知人との再会を喜ぶような表情。そのうち、私の手をとってしっかり握られるようになりました。更に「手が冷たい!」と、冷たくなった私の手を気の毒がるような表情を見せられます。
馴染みの顔としてインプットされているように感じました。
「帰ります」というと、最初は笑顔を返すだけでしたがそのうち、「ご苦労さん」と。
そして「お休みなさい。今夜は寒いですから温かくして休んでくださいね」というと、「ありがとう。気をつけて!」。
「家は近いの?」とか「どこから?」とか・・・。
最後の夜は、「また来なさいな」とおっしゃって頂き、胸がきゅんとしました。
調子が良い日は、私の手に何度もキッスをしてくださいました。
また、自分の体を少し動かすようにしてマッサージを受ける準備をされる日もありました。
興奮気味の日には、テレビの字幕をすべて大きな声で読まれることがありましたが、そんな時、ハンドマッサージを始めると静かに穏やかにテレビに目を向けられるようになりました。
良い日悪い日の波はありますが、夜中にトイレに行かずに朝までぐっすり眠れる日があった。トイレから帰ってからすぐに寝付くことが出来た。手の平や、指先の緊張が緩和された。
そんな日がひと月の間に、数回あった・・・それでも成果があったといえるのではないでしょうか?
医薬品のような効果は最初から期待していなっかたことで、少しでもQOLの向上が見られたのであれば、まずまずだと思います。
アロマテラピーによる認知症へのアプローチとしては、今の段階ではハンドマッサージや日常の芳香浴などを組み合わせて継続していくことが大切なのだと思います。「手と脳の関係」「香りと脳の関係」は大切なキーワードであることは間違いないようです。
まだ、レポートがまとまっていないので今は、ここまでしかご報告できませんが、それらをまとめ、今後の方策を考えていきたいと思っています。
こんな相談を受けて、施設に泊まられる夜(週2日)だけ、アロマトリートメントによるハンドマッサージを始めたのは11月の末でした。
睡眠時間には、すぐに変化がありましたがハンドマッサージの効果かどうかは、その時点では判断できませんでした。それでも、夜中にトイレに行かれた後すぐに眠りに入り、朝7時前まで寝られたとか、夜中に一度もトイレに起きられなかった・・・というような報告は頂いていました。
夜中のトイレが一度も無かった夜(ハンドマッサージをした日の夜)、夜勤の職員さんは別の心配で何度も何度も懐中電灯をもって部屋を訪ねたとおっしゃっていました。でも、その度に爆睡状態だったんだそうです。
夜のハンドマッサージを始めてした時、昼間には感じたことのない緊張が指先にも手の平にもありました。それは不安な気持ちが見え隠れするように感じました。
週2回、4週間やってみて、その先の方向性をまた考えることにしていました。
終わってみると、何かがもの凄く変わったとはいえません。そして、好転したことがあったとしても、それをハンドマッサージ効果といえるかどうかも微妙です。
もともと高齢の方なので、ちょっとした出来事で体調に変化が現れます。ご家族との関係や距離感、気候の変化等など。12月は寒い時季でもあり、ご家族も忙しくて充分な対応が出来なかったり、健康面への配慮から運動不足になったり・・・そういったストレス材料もあります。
認知症の場合、特効薬はなく治療は確立されていないのが現実です。そういった現実を踏まえてアロマテラピーで何が出来るのかを手探りしているのですから、治療と肩を並べるような効果を期待していたわけではありません。
そのあたりを整理して考えてみると、それなりの成果はあったのではないかと思います。
例えば、最初は交わす言葉も少なかったのですが、徐々に言葉の数が多くなり表情も豊かになっていきました。
最初に挨拶をすると「あらーっ」と、知人との再会を喜ぶような表情。そのうち、私の手をとってしっかり握られるようになりました。更に「手が冷たい!」と、冷たくなった私の手を気の毒がるような表情を見せられます。
馴染みの顔としてインプットされているように感じました。
「帰ります」というと、最初は笑顔を返すだけでしたがそのうち、「ご苦労さん」と。
そして「お休みなさい。今夜は寒いですから温かくして休んでくださいね」というと、「ありがとう。気をつけて!」。
「家は近いの?」とか「どこから?」とか・・・。
最後の夜は、「また来なさいな」とおっしゃって頂き、胸がきゅんとしました。
調子が良い日は、私の手に何度もキッスをしてくださいました。
また、自分の体を少し動かすようにしてマッサージを受ける準備をされる日もありました。
興奮気味の日には、テレビの字幕をすべて大きな声で読まれることがありましたが、そんな時、ハンドマッサージを始めると静かに穏やかにテレビに目を向けられるようになりました。
良い日悪い日の波はありますが、夜中にトイレに行かずに朝までぐっすり眠れる日があった。トイレから帰ってからすぐに寝付くことが出来た。手の平や、指先の緊張が緩和された。
そんな日がひと月の間に、数回あった・・・それでも成果があったといえるのではないでしょうか?
医薬品のような効果は最初から期待していなっかたことで、少しでもQOLの向上が見られたのであれば、まずまずだと思います。
アロマテラピーによる認知症へのアプローチとしては、今の段階ではハンドマッサージや日常の芳香浴などを組み合わせて継続していくことが大切なのだと思います。「手と脳の関係」「香りと脳の関係」は大切なキーワードであることは間違いないようです。
まだ、レポートがまとまっていないので今は、ここまでしかご報告できませんが、それらをまとめ、今後の方策を考えていきたいと思っています。